AccuSizerシリーズは米国Particle Sizing Systems社のコア技術、単一粒子光学測定法 (single Particle Optical Sizing : SPOS法)を用いて、液中粒子の数と大きさを1個1個定量します。
AccuSizer A9000は、AccuSizer A7000シリーズのセンサーに、集光レーザーを取り入れることで、さらに小さく濃度の高いサンプルの測定に対応した改良型です。ファインケミカルやバイオサイエンス、食品、エネルギーなどの各分野でナノ粒子を対象としたR&Dから品質管理まで様々な場面で用いられています。特に半導体産業や、インク、医薬品などのより小さい粒子の管理を必要とする分野に強みを持っていて、最少で0.15µから、最大で150µmまでの粒子の測定が可能です。A9000シリーズは、非常に濃い粒子を対象としながらも、迅速に、精度よくサンプルを測定することが可能です。「現在の粒子測定法では満足できない」と感じたら、是非一度AccuSizer A9000シリーズをご検討ください。
AccuSizerA9000の測定原理
AccuSizerは、フローセルに通したナノ粒子にレーザー光を当て、ナノ粒子によるレーザー光の遮蔽と、粒子から出た散乱光を測定、カウントします。粒子のサイズが小さくなると、ナノ粒子からでる、遮蔽及び散乱の信号がともに小さくなります。この小さな信号をとらえるために、A9000シリーズのセンサーは、集光レーザーとレンズを使用して、レーザーのパワーとディテクターの感度を向上させます。
信号には統計学的な処理が行われ、最少0.15µmからの粒子に対して数と大きさの情報を出力します。通常のパーティクルカウンターでは数100万倍に希釈が必要なサンプルでも、A9000なら低倍の希釈で測定できる可能性があります。
A9000 MD, AccuSizer Mini
A9000 MDは、主に半導体産業で使用する製品群です。比較的高濃度サンプルに強い光遮蔽式のセンサーに、集光レーザーを搭載することで、1億個/mL以上の高濃度粒子の測定に対応しました。
特にAccuSizer Miniは、A9000MDのオンラインモデルとして半導体材料や生産現場の工程管理に威力を発揮します。A9000シリーズは世界中の半導体産業で粗大粒子管理の標準機として幅広く使用されています。
左の図は、半導体ウエハーの生産ラインを流れているCMPスラリーを経時モニターしたときの粒子数プロットです。ある時点でフィルターもしくはその他の原因で粗大粒子数が劇的に増加しています。
これは、半導体のウエハースクラッチの原因となり、ラインに大きな損失をもたらします。AccuSizer Miniは、粗大粒子をモニターすることで、生産ラインのストップによる大規模損失を未然に防ぎます。
A9000 SIS, A9000 AD
A9000 SISは医薬品分野で、A9000 ADは、医薬品に加えてインクや半導体分野で使用する製品群です。
ともに、より小さな粒子径のサンプルに対応するために、光散乱式のセンサーに集光レーザーを搭載しています。A9000 SISは<USP787>試験のようなバイオ医薬品のタンパク質凝集体の測定を念頭に設計されています。最少で250µLの少量測定に対応し、貴重なサンプルを無駄にせずに測定が可能です。
A9000 ADは、同じ原理でインクや半導体材料の凝集・粗大粒子を測定します。近年こういった製品の1次粒子は数10nmまで微細化しています。A9000の150nm~という測定レンジは、ちょうど凝集粒子の粒子径に当たり、定量測定が可能です。粒子があるかないかだけなら、パーティクルカウンターやTEM観察など、他の測定方法でも確認できます。ただしこの150nm程度の大きさで、ある程度の濃度を持つサンプルの測定ができるのはA9000だけです。
左の図は、免疫グロブリン(IgG)の溶液を 0.2 µm のフィルターに通し、A9000 SISで測定したものです。
青いラインがフィルター前、赤いラインがフィルター後のサンプルです。フィルターを通す前後の結果を比べると、粒子数濃度は約1/3までさがりました。フィルターにより、タンパク質の凝集粒子数が減少しているものと推測できます。
同じ試験方法で、タンパク質のナノサイズの凝集体も測定できます。これはバイオ医薬品や、タンパク質の安定性試験にも適用可能で、バイオ医薬品の生産性の向上や使用法・使用期限の情報に関連します。